「クロレラもヒバリの巣も、自分で見るまでは信じちゃダメなの」 

映画を見てからいてもたってもいられなくなり購入。一気読み。

原作は、映画のような“千年の魔法”について詳しい説明があるわけじゃないけれど、それは国衙の土地にひっそりと、しかし確かに横たわっているので、読み進めていくうちに暮らす人のように感じることができる。あたかも“信念”のように。

父の痛くないゲンコツ。シゲルのやさしさ。直角の川の苔がヌルヌルしていて危ないこと。
アニメーションは、それ自体がすでにファンタジックで“魔法”だけど*1、本のお話は、もっとずっと土っぽい匂いがした。まるで新子が麦畑に寝転んだときのにおい。それは、たぶん人々のしがらみや、考え方や、噂話や、あけすけな時代背景にあるんだろう。

マイマイ新子

マイマイ新子

*1:それも極彩色の。なんていうか、映画の中で千年前のお姫様が持ってた色紙を空に向けてパーッと投げたような。