「クロレラもヒバリの巣も、自分で見るまでは信じちゃダメなの」
映画を見てからいてもたってもいられなくなり購入。一気読み。
原作は、映画のような“千年の魔法”について詳しい説明があるわけじゃないけれど、それは国衙の土地にひっそりと、しかし確かに横たわっているので、読み進めていくうちに暮らす人のように感じることができる。あたかも“信念”のように。
父の痛くないゲンコツ。シゲルのやさしさ。直角の川の苔がヌルヌルしていて危ないこと。
アニメーションは、それ自体がすでにファンタジックで“魔法”だけど*1、本のお話は、もっとずっと土っぽい匂いがした。まるで新子が麦畑に寝転んだときのにおい。それは、たぶん人々のしがらみや、考え方や、噂話や、あけすけな時代背景にあるんだろう。
- 作者: 高樹のぶ子
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2004/09/30
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 60回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
*1:それも極彩色の。なんていうか、映画の中で千年前のお姫様が持ってた色紙を空に向けてパーッと投げたような。