永遠のふ幸せ:キャシャーンSins
観たい観たいと思ってようやく全話視聴。きっかけは、キャラクターデザインが「ハートキャッチプリキュア」と同じ馬越氏によるところも大きいです。おかげでコブラージャや番君、月影さんにSinsの残像が見えます・・・。
美しい背景美術と躍動感あふれる骨太なアニメーション。そして、和田薫氏の、和楽器をふんだんに取り入れた力強い映像音楽の織り成す独創的な世界に圧倒されっぱなし。
月と言う名の太陽:かつてルナは「死」の象徴であり、すなわち「生」のそれでもあった。人もロボットも「永遠の命」が当たり前となった世の中には何も残らない。いつしか「死」は癒しとなり、生者必滅の理は崩れ去っていた。
しかし、そのことわりが根底から覆される事件が起きる。
ルナは殺され、「滅び」がはじまった。なにもかも塵となる現実に悲観し、自暴自棄になった世の中は刻一刻と終わりへ向かう。何が自然で、何が不自然なのか。
それでもキャシャーンが出会った者たちは皆、必死に生きていた。歌うことも街の壁を塗り変えることも鐘を作りならすことも、そして戦うことも、すべて「生」への執念である。愛する人を失った彼は不幸だが、滅び切る者たちは幸福だ。なぜなら「滅び」とは、またひとつの「生」であり、「生きる」ということは、すなわち「滅ぶことができる」ということなのだから。
Sinsには魅力的な女の子もたくさん登場していて、印象に残ったのは“戦うことにしか興味が無い”ソフィータと、
・・“かつてのルナの側近”ニコ。 どちらも強さと儚さが共存するキャラクターです。
そしてルナ・・・
ルナは可哀想だし、キャシャーンも可哀想だと思う。ふたりとも造られた存在でありながらこんなことになってしまった世の責めを負うふしがある。何より、永遠に生きながら死ぬのは残酷だから。
厭世的な世界観から一転、エンディングは比較的明るめだったのでほっとしました。
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