金粉の夢

夢を見た。曇り空にとぐろ巻く大蛇の夢。鎮めようと自転車を走らせて田んぼの一本道を行くと、それは不意に消え曇天の空は瞬く間に漆黒の闇となるのであった。

見上げると、かつて大蛇のいた一点に無数の眩い金粉が、もうキラキラと音のするくらい瞬いていて、そしてそれは冬の空気みたいにひんやりして、真下に来るとなんとも冷たい、紙一片より薄い氷の欠片となって舞い降り、頬に触れる前に溶けて消えた。
気づくと、黒い空の宙の奥の、先ほど金粉のあった場所にはステンドグラスのような五色の光の帯がゆらゆらとしていた。