「.hack//SIGN」:雑多な感想

授業でやってる「実在性」という言葉で連想した「.hack//SIGN」について、自分なりにまとめてみたいと思います。

.hack//SIGN  DVD-BOX

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.hack//SIGN」:オンラインゲーム"The Word"を舞台に、ゲーム上に囚われ、そこから抜け出そうとする主人公・司と、彼を取り巻く人々を描く。「存在意義」と「覆面性」。「誠実」と「不誠実」・・・年齢も性別も超越したゲーム上のキャラクターと、それを演じるリアルな人々の多面性と共通点は、いつしかしだいに「我」となって司を救う。

ストーリーは、「リアル」と「仮想」の境界線、その違いと同一性を丁寧に描きながら進む。「リアル」と「仮想」の境界線が逆さまになったままの主人公はどこまでまともでいられるのか?という問いにも、生々しい精神崩壊でこたえた。また、エンディングのあっけなさも、心神喪失した司の危うさがシリーズのクライマックスだったと捉えると納得がいく。また、ベアやBTに代表されるように、大人が大人として描かれる安心感もあった。


とりわけ、不吉さと心もとなさを予感させるオープニングが好きです。所在無さげな、なんともいえない表情を作る大澤聡さんのキャラクターデザインも、たまらなくいい。司の、色で例えるなら、夕焼けの光でできた影みたいな顔をする1話は何度も観てしまう。