ギリシャ パロス島

パロス島というところに来ました!むかし、ここで採れた大理石でミロのヴィーナスを造ったという。で、今はヨーロッパの人にとってかっこうのバケーションスポット。太陽を浴びるのに最適のビーチがたくさんある。
丘のてっぺんの別荘を借りた。まわりには家なんかない。道は、もちろん舗装されてなんかいなくて、途中にはブドウ畑とニワトリとヤギが放牧してある空き地があって、見渡す限り枯れ野原。きっと収穫が終わったばかりなのだろう。家からは海と空と畑が一望できる。海に沈む夕陽を眺めながらご飯を食べる。夜になれば満天の星。牛かヤギの付けている鈴の音と、犬の遠吠えが聞こえる。

船着き場や港町のカフェらは絵になりすぎてて白昼夢みたい。タベルナで食べるイカやタコのフライは程よい塩気が病み付きになりそうで、ポークの焼いたのはとろけるようにやわらかくって、一口一口がすごく幸福。ミソスビールを浴びるように飲んだ。

それから、猫。たくさんいる。ここいらのはすばしこくて人懐こくないが毛並みはすこぶるいい。 








この島は、まるで『世界の果て』みたいだ。海はどこまでも碧く、潜ると、そこは『リトルマーメイド』の世界で、なるほどトリトンだかポセイドンがいるのかもしれないと説き伏せられてしまう力がある。もしわたしがまだ子供だったら、ここで迷わず人魚ごっこして遊んだと思う。
温かくて浅い水の中にはネイティブアメリカンのメーキャップみたいな、ターコイズブルーの模様の魚がいる。タコもいる。それからウニも。すごく沢山いる。もう、泳いでいると踏んでしまいそうなくらい、いる。



夜、簡易ベッドと布団をベランダに引っ張り出して星を見た。思わず、"Star light, star bright. First star I see tonight, wish I may, wish I might, Have the wish I wish tonight*1"って口ずんでしまうくらい満天の星。旱星と天の川の濃淡。文字通り、「降ってくる」みたいな漆黒の天井。ぜんぶで9つ流れ星を見た。