その名は捨てた

  • お菊という名の四天王


お菊姐さん初登場回。彼女は生まれついての才が仇となり幼くして肉親と生き別れた悲劇のヒロインだけど、女盗賊で、あさたろうの敵側幹部というちょっと複雑なキャラクター。この作品の登場人物としては珍しく捻じ曲がってて(いい意味で)、はすっぱなかんじがたまりません。


このエピソード、現行放送時も再放送も見逃しまくった挙句にYouTubeにもあがって無かったのでこんな中途半端なタイミングでの視聴になってしまったけれど、演出もスタッフもチェックしてて期待大の回だったので喜びもひとしお。カット割とか場面構成がいつもとは明らかに違いました。ああ、かっこいい!


  • 財布すられたあさたろう

シンプルなのに登場人物の心中が生き生きと描かれていて、見ごたえたっぷり。これだからあさたろうはやめられない。
ラスト、登場人物たちは盗人と和解せず、大して言葉も交わさない。物語は白黒はっきりつかないまま幕を下ろします。あさたろうに至っては、心に大きなしこりを残したであろうまま。しかし飴売りのおきよは、いやまだこれでさっぱり盗人をやめるわけではないけれど、彼との出会いが彼女を少しだけ変えた。すっきり、すがすがしい面持ちの彼女もまた、どこへ行くとも知れない旅人・・・ 

・・・なんだか勝手にしみじみしました。みんな、同じ旅の空でつながっているよ。



終始ご立腹のこももも見所。あさたろうへの皮肉と百面相にときめきます。「あんな娘、趣味悪いんじゃないの?」なんて。女の勘ってやつですかね。

ところで『盗人宿』って実在していたのでしょうか。時代劇の世界のなかの造語かな?実際にあったら面白いけど。