みえないちから

年末の話なのだけどICCの「みえないちから」展に行きました。
ICC ONLINE | アーカイヴ | 2010年 | みえないちから

気になっていたのは映像作家オスカー・フィシンガー*1の作品で、彼はファンタジア制作当初に参加してたアーティストだったそう。抽象的表現を模索していた彼は作品の方向性の違いを理由に途中でスタジオと袂を分かった*2のだけど、アニメーション黎明期の抽象的表現、手法って第二次大戦前にサイケデリックな色調を多用していたり、ある種時代を先取りしている部分もあったりして興味深く感じます。

ただ、既に半世紀以上の月日が経過している作品で、なおかつサイレントで、色と動きのみに集中してしまう作品だけに老朽化が目立つ気がしました。リマスターしているのかな。



無機は有機になり得るのか。
彼の作品"Early Abstractions"はそんなことを問いかけているように感じます。

有機はもっと有機になりたいと願う。同時に、無機に還りたくなったりして。複雑だね。人は。

*1:http://www.oskarfischinger.org/

*2:実際、ファンタジア作中で抽象的なシークエンスはほんの一握りだ