『有頂天家族』

本日読み終わったので貼っておく。胸躍るようなワクワク感を、本で感じたのは久々のこと。すっかり本読まなくなったなーと思うかたわら、図書室で借りた本に夢中になって、家につくまで待ちきれず、読みながら帰宅した小学校時代を思い出します。
四畳半神話大系』と比べると、類似点があるのは否めないですが(特に浮き世離れした怪人、愛想がないけど好意的な同年代の女の子、艶っぽい年上の女性等など)、でも古風で軽妙な語り口につられて、ニヤニヤと口角を上げながら読んでいるうちに、こぼれ話だと思っていたエピソードのひとつひとつがつながり、最後の大活劇になだれこませる手腕は、流石というほかないです。こうなると、止まらない。主人公も、赤玉先生も弁天も、長兄も次兄も弟も誰もがそれぞれに阿呆で愛おしい。
そして、どんなイイハナシでもまったく湿っぽくないのがいいよね!泣かせる話なんぞくそくらえ。「阿呆嵩じて崇高となる」と、非常にマジメに不真面目な生き方を宣言する狸たちがカッコイイ。彼らのように呵々大笑とした生き方をしたいものだなぁ・・・。

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

有頂天家族 (幻冬舎文庫)