第4話 奇跡も、魔法も、あるんだよ
悪趣味とも捉えかねない前回には面食らったけれど新房監督作品は好きだし、この作品から並々ならぬメッセージを感じるので見ないわけにはいかない。
まぁ、劇団イヌカレー*1のターンになると怖くてドキドキしますが。あと、今までそれとなく見過ごしてきた小道具や背景なんかにも意味があるんじゃないかとかんぐってみたりね・・・。
思えば、オープニングの窓から垂れる雨滴はなぜ赤いのでしょう?
赤色は刺激的な色なので、たとえ真赤でなくても、また「雨雫」であったとしても、それが窓を伝わるようすは、見ていて何となく落ち着かないものです。
そしてこの街はガラスの建物が多い。
映りこんだ空と光が、鏡面反射効果で主人公達の脆い心をもぶち抜いてしまうんじゃないかと、ハラハラするくらい多い。
さてさて。契約を決意したさやかの元に「すべて承知」と言わんばかりに瞬間現れたキュゥべぇは、一見、中庸であるようですが、未熟な中学生をとっ捕まえて代償のともなう願掛けを無言の重圧で勧めるのが卑怯な行為であることに変りはありません。
さやかは幸せにはなれないでしょう。
さやかの願いは叶えられる。少年は再びステージに上がる。けれど、さやかは幸せにはなれない。契約に見返りがないわけはないですから。