"Harmony Con Interview with Kazumi Evans"書き起こし(前編)


こんにちは。今回はライブではなく、収録版でお送りします。今回のゲストは、バービーフランチャイズと、他でもないマイリトルポニーにおいてルナとラリティの歌唱を担い、そして直近では、アダージョ・ダズル役をつとめたカズミ・エヴァンスさんです。さっそくはじめましょうか。インターネットであなたのリサーチをしていたところ、IMDB*1で2007年にTriple Sensationに出演されていた事を知りました。あなたが登場しているYouTube動画*2も見つけましたよ。Triple Sensationを知らない視聴者の為に、どんな番組だったか説明していただけませんか。

Triple Sensationはカナダ制作のリアリティ・ドキュメンタリー番組で、マーヴィン・ハムレッシュ、エイドリン・ノベルソンなど、そうそうたるアメリカ人とカナダ人メンバーが審査員をつとめ、カナダ国内を巡りながらダンス力、演技力、歌唱力の三つに優れている17-26歳までのタレントを探し出し、選出者達をマスタークラスに入学させ、世界中から集まった高名な先生による特別指導を受けさせた番組よ。コンテストと、学びや授業風景を撮影したのよ。
実際にビデオを作って、オーディションを受けたの?

カナダの東、西、中央でオーディションを開催したの。幸運な事に、バングーバーでも開催されたわ。最初の開催地がバンクーバーだった。毎度の事で、紙切れ一枚が次のステップへとつながる、とてもストレスのたまるプロセスよ。しだいに応募者が厳選され、12人残った段階で、コンペティションもあるってわけ。

どこまで勝ち進んだ?

ラス6まで残ってマスタークラスで落選したわ。残りの出場者はライブショーケースをやって、ラス3はスカラーシップを授与された。わたしはスカラーまでは行かなかった。まだ若かったし。17歳だったからね。でも後悔はしてない。やれるところまでやったし、学べる事は学んだから。

すごい機会だったね。

そうね。振り返ってみると、当時はどのくらいその機会や経験が大きかったか気づかなかったけど。無知だったから。でも、たくさん学んだし、貴重な経験だった。知識や人生経験を積んだ今ならもっとたくさん出来そうな事もあるけれど、あの若さであの経験ができたことは良かったと思う。

Triple Sensationがフォーカスした歌唱、ダンス、演技はミュージカルシアターの柱となる要素だね

そうね。

いつ頃からこの3要素に興味を持ったの?

まったくの偶然。小さい頃から歌うのは楽しかった。ディズニーっ子だったし、古いミュージカルも好きだし。10代前半から歌唱指導は受けていて、コミュニティミュージカルの舞台に立っていた。ダンスを始めたのは14歳から。コーラス仲間の友達に「やってみない?」と声をかけられて「いいわよ。楽しそうだし」って応えてはじめたのがきっかけだったんだけど、初授業を受けたとたん大好きになった。たぶん、それが3要素のきっかけになったんじゃないかな。踊りながら演技して歌うことに夢中になったの。意識的に選んだ訳じゃなくて、好きな事をしていたらそういう結果になったのよ。

バレエの他にやった事のあるダンスは?

タップ、ジャズ、でもわたしの強みはバレエかな。次にタップ・・・少しだけど(笑)

Triple Sensationの後はミュージカルシアターに注力した?例えば、高校やコミュニティシアターで。

高校時代はセミプロシアター、ロイヤルシティミュージカルシアターでパフォーマンスしたわ。バンクーバーの郊外にあるの。「ピーターパン」や「ウエストサイドストーリー」に出演して本当に楽しかった。高校時代は、授業は午前2時間受けて、その後5時間ダンスする生活をしてた。そういうクラスだったの。わたしのスケジュールはセミプロとしても学生としても過密だった。だから高校のシアターには出演しなかったわ。大学進学後はプロとしてたくさん仕事した。バンクーバーオペラでダンスしたり、テレビ出演したり。『ペテン師とサギ師 だまされてリビエラ』に出演した大学2年のときにMLPと出会ったの。

ミュージカルシアターから声優としてのキャリアを広げたのは?

事務所に将来的に声優やってみないかと言われたから「いいわよ、面白そうだし」って答えて、オーディションをいくつか受けてた。コマーシャルやってたりね。そしたらMLPに当たったのよ。

もとから歌唱役でオーディション受けたの?それとも、普通の声優としても受けてた?

通常役で受けたわ。トワイライトや他のキャラクターもね。で、これはよく覚えてるんだけど、ある日事務所が電話をかけてきてね「ダニエル・イングラムが(これが彼に出会った最初だった)トワイライトの歌唱役として君に会いたいって言うんだけど」って。それで「面白そうね。いいわよ」って応えたわ。それから彼のアパートに行って、曲の説明を受けてからオープニングを歌った。彼は「すごくいいね、でも君の声はラリティ向きだね」って。わたしも「いいんじゃない」って。それで後日、正式にラリティの歌唱役になったってわけ。

ラリティの他に、ルナの歌唱役も担当しているね。もともと決まっていたの?それとも偶然?

偶然よ。ルナの役は受けてもいなかったんだけど、昨夏、ダニエルから「スタジオでルナの歌を歌ってよ」ってメッセージを受け取ったの。彼のスタジオで、タビサが演じたルナのクリップを2-3個見てから演ってみた。あらかじめ決まっていた事なんてないわ。

両方タビサの役だから、勘ぐってたんだ。

皆そう言うわ。ファンはそう思うでしょうね。そう思われるのは光栄だけどね。配役の過程には必ずオーディションがあるのよ。アダージョも同じ。

アダージョと言えば。一週間で映画公開だけど。映画館には行く?

もちろん。自分の出演した作品が上映されるなんてすごくエキサイティングだわ。

アダージョもオーディションで?

もちろん。セイレーン3役とも受けた。セリフと歌もそれぞれオーディションで演じたわ。

アダージョは歌唱以外で君が演じた最初の役だった?

そうよ。

レインボーロックスのミュージッククリップ*3が素敵だった。

ありがとう。

アダージョを演じるのは・・・悪役を演じるのはどうだった?

すごーく楽しかったわ。こう言うとヘンに聞こえるけど最高だった。わたしの役どころって若くて無垢なタイプが多いんだけど、アダージョ悪の華でしょ。そういうの大好きだわ。収録中にタビサにも「悪役だとクールね。悪役がすごくお上手」って言ってもらえたし、楽しかったわ。

いろいろな声優に聞くと、悪役は演じていてとても楽しいらしいね

もちろんよ!!好きにならずにはいられないわ。憎めない。演じ甲斐がある。これが初の悪役だったってのもあるかもしれないけど、とても楽しかった。

収録はグループで?
そうよ。ブースにはメーン6がいて、わたし達(セイレーン)3人がいた

収録風景は?

いつも通りよ。タビサとアシュリーと。女性だらけで、ジョークを飛ばし合ってみんな協力的よ。一緒に働くのはとても楽しいわ。仕事の日はウキウキするの。みんなと映画や物語を綴れるなんてすばらしいわ。

歌は別録り?

その通り。歌は通常、別々に取って、後からエンジニアリングで合わせるの。皆のスケジュールも、調整しづらいしね。ダニエルはいつもすばらしい曲を書いてくれるわ。

楽譜や歌詞は事前に受け取る?

数週間前から数日前に受け取るわ。いつも完成版を聴くのを楽しみにしてる。

オンエアを観てる?

かなり観てる。最初のエクエストリアガールズも観た。自分の出演してるのはチェックするわよ(笑)頭の中で聞こえている自分の声が別人のように違って聞こえるのには驚かされるわ(笑)