"Harmony Con Interview with Kazumi Evans"書き起こし(後編)

※前編はこちら:"Harmony Con Interview with Kazumi Evans"書き起こし(前編) - 量子テレポーテーション - quantum teleportation


録音した自分の声は、全く自分の声らしく聞こえないってこと?
聞こえないわ。そこが面白いの。だからオンエアをチェックしてるのよ

ラリティの歌声は普段の君の歌声と比べてどのくらい違う?
普段の自分とあまり変わらないかな。でも、彼女は少しイギリス訛りだから…(ラリティの話し声を真似る)、それと、幾つかの単語のアクセントに気をつけてる。強く話しずぎない。それ以外は、自分の声に近いわ。


ミュージカルシアターで公演した作品のレファレンスがショーや音楽に反映されてることについてはどう思う?
とてもとても嬉しく思うわ。ダニエルはわたしの歌声で曲を紡ぐのがとてもうまいの。ほら、声って人それぞれ違うでしょ。わたしの声って、実際、ロックやソウルフルな歌向きじゃない。でも、ダニエルは、わたしの歌声にピッタリ*1な歌を書いてくれる。だから、ミュージカルらしいミュージカル曲をMLPで歌う事はエキサイティングだわ。


"リトレストペットショップ*2"に出演したとIMDBにあったね。
ええ。"ファッション・ユニヴァーシティ・ノース*3"を歌ったわ。わたし以外に他のシンガーもいて、バックグラウンドコーラスをしたわ。

ダニエル*4が君に直接頼んだの?コーラスとして。
そうよ、ポニーの下地があるからね。これって素晴らしい事だし、声をかけてもらえて光栄だわ。


ポニー以外だと、バービー・シリーズに出演してたよね?
ええ。

バービーは子供の頃から好きだった?
もちろん!!!子供のころ遊んだオモチャの世界に出演することができるなんて恵まれてると思う。6歳のわたしが知ったら月に飛ぶほど喜ぶわ。わたしの中の6歳は相当喜んでるけど(笑)。それに、いい年して子供番組をチエックする良い言い訳になるしね。「これもリサーチなのよ」ってね(笑)


夢を実現させて、それでお金を稼いでるんだものね。
そうよ!それにとっても楽しいのよ!


MLPシーズン1に話を戻すけど。その頃、まだファンダムはなかった。
そうね。

はじめてファンダムの存在を知ったのはいつ?どうやって?
スタジオで、オーディションか、歌の録音を待ってるときに。待ち時間のときだったかな。シーズン1の途中で。アンドリア*5とタビサ*6とアシュリー*7がいてみんなで話してしてたの。アンドリアがブロニーの話を始めて、ダニエルもそこにいて、それで『ブロニーって何!?』『マイリトルポニーのファンダムだよ』って。それでみんなが説明して写真を見せてくれた。こういうのって正直女の子のものだって思ってたから、他の視聴者って考えなかった。でもショーが進むにつれ、ブロニーの存在がどんどん大きくなって・・・。エバーフリー・ノースウェストに招待されて、はじめてファンの方と対面して、頭が爆発しそうになって、ちょっとびっくりもしたけど、ショーはわたしたちを子供に戻してくれる。世界的な社会現象にもなってる。ショーに携わることができて光栄だわ。


(カズミの着メロ(ドクター・フー)が鳴る)ごめんなさい。
いい着メロだね。
そうよ、ドクター・フーよ。みんな気づくと思うけど、わたしはオタクなのよ。あ、これレコーディングしてたんだったわね(笑)


podcastの視聴者は理解するさ
ブロニー(ファンダム)のそういうところがステキ。許容範囲が広くて、ラブリーだわ。一ヶ月前にボルティモアのコンベンションに行ったときもそう。チリから来たファンの子がソニックスクリュードライバーをくれたの。だってドクター・フーとポニーのコンボよ!一日中ハッピーだった。


そこがポニーコンベンションの特徴なんだ。他のショーも受け入れるキャパがある。
そうね。マーベルやドクター・フーや、オリジナル作品を会場に持って来ても居心地いいし、楽しめるわ。


本編もそうだよね。たくさんのリファレンスがあるから、探し出す楽しみもあるんだ。
その通りよ!すごく嬉しいの!ショーがいっそう楽しくなる!この話、したことなかったと思うんだけど、実家の近くに小さなオタクショップがあってね、ある日、ドクター・フーのグッズを探しに行った。"営業中"とふだのかかった扉を開けたら、まるでダンジョンで集会中かと見まごう男性客だらけ。静まりかえった店内に女性客は私だけだった。わたしが「すみませ〜ん、ドクター・フーのグッズはありますか?」って尋ねたら、振り返った人全員がポニーTシャツを着ててね。つまり、みんなブロニーだったわけ。誰もわたしの正体に気づかなかったけど、みんなすごく興味を持ってわたしに質問してくれて(好きなキャラは誰?とかね)、おまけにお買い物のアドバイスまでしてくれたわ。結局、ペッパー&ソルトシェイカーを購入したのだけど、ホクホクだった。それで、「これって最高*8だわ!」って思いながら帰路に着いたの。不思議で、一生忘れられない体験になった。日々、思いがけない場所でポニーのTシャツ着る人々や、ポニーグッズを持ち歩く子供達を見かけるのはうれしいわね。ディズニーランドに行ったときもそう。通りすがりにチェックしながら、「ワールドワイドなのね」って思うの。とってもクールよね!


MandoPony*9とミュージカル曲でコラボ*10したよね。すごく出来が良かった。
ありがとう。アンディ*11とは2012年にエヴァーフリー・ノースウェストで出会ったの。彼とは、いつも音楽の事をいろいろ話してて、コラボの可能性のこともそれで持ちかけられて・・・それで「もちろんよ」って承諾した。彼はいい人で、才能あるミュージシャンよ。ある日、Facebook越しに「ねえアンディ、Taylor the Latte Boyっていう素敵な歌があるの。ミュージカルシアター界隈でもよく知られているし、ウケもいい。アンサーソングもあるのよ」ってメッセージを送って。それで彼も賛同してくれて実現したの。わたしのパートは自分の部屋で録音して、彼がその後自分のパートと合わせて、YouTubeにアップしたわ。彼とコラボできてとても楽しかった。


これは個人的に興味があるんだけど、君のOC*12はお茶とレースだ。君はお茶が好きなの?
ええ、いただくのもティーカップを集めるのも好きなの。これもわたしの知られざるオタクな一面ね。


オタクなティーセット収集を趣味にするってのはどう?
ティーカップ集めはお年寄りっぽい趣味けど、オタクなティーセット収集ってのはいいわね。まだ見た事無いけど、集め始めたら報告する。


僕の友達はLAの大学のサイエンスラボで働いてるんだけど、テクノロジーカンパニーはたくさんのプロモーショングッズをくれるんだ。部屋に収まりきれなくて、たくさんあまってるからって僕にもくれるんだけど、生物学マグとか、フラッシュドライブとか。指型のフラッシュドライブは最高だ。欲しいときには声かけてよ。シーメンス*13のマグではじめる一日は最高だから。
(笑)


簡単な質問に移ろうかな。ショーの中で、誰の声でもあてていいって言われたら、誰がいい?
そうね・・・。もう存在してるキャラで?
新しく作ってもいいよ。
ドクター・フーのアシスタントになれたらクールね。彼の公式のアシスタントになれたらハッピーだわ。彼のスペシャルエピソードを作ってもらえたら・・・もちろん冗談よ(笑)でも、もしあったらサイコーよね*14


影響力のあるシンガー、ダンサーそして声優になるためのアドバイスを
"よく働き、よく楽しめ(Work Hard and Have Fun)"よ。これはわたしの父親のことばなの。意味は「好きな事をやれば、あとのことは着いて来るから。一生懸命やって、夢を説きつけろ。あきらめるな」。これはブロニーコンでも話したから知ってる人もいるかもだけど、子供のころ姉と乗馬をしてて、あるとき落馬したの。とても怖かった。その夜、父親が乗馬の絵本を手に帰宅して言ったの「カズミ、自分も落馬した事があるが、これは起こりうることなんだ(彼も乗馬をしていたわ)。怖いとは思うけど、乗馬も人生も、転落と亢進の繰り返しなんだ」って。当時、わたしはとても若かったんだけど、その言葉を決して忘れなかった。今もこの言葉を自分の人生に取り入れてる。わたしの人生は転落と亢進の繰り返しなの。この業界はアップダウンが激しく、パフォーミングアーツを極める事は、正面切って否定され、面と向かって「ああしろ、こうであれ」と指示される事も多い。でも、一日の終わりに自分を知り、自分が何が好きかを確かめることができれば、また前進できる。信念と好きな事の為に戦える。そうすれば、残りは後から付いて来るのよ。


アダージョボイスでひと言お願いします。 "It's equestrian magic!*15"と。ソナタ*16に怒りながら。
もちろん(アダージョの声でセリフを言う)


ありがとうございました。
こちらこそ、とても楽しかったわ。呼んでくれてありがとう!